ピアノを続ける

「あなたがピアノを続けるべき11の理由」


こんなインパクト大の本を購読しました

ピアノとの関係を続けてきた11人のお話

その中には音楽関係者に限らず、科学者、哲学者、落語家もいます

みなさんそれぞれの経験をお話しているもので、共感できる部分がたくさんありました


とても幸いなことに私の教室では退会者が少なく、中学生以上の生徒もたくさんいます

しかし、半数ほどの生徒が一度はやめようかと口にだしたはず

そんな生徒の子たちにも、続けてこれた物語がそれぞれにあるんだなとこの本を読んで感じました


曲を完成させるということは、練習しなければならないということ

それは少々苦痛にも感じるときがあります

でも、その苦痛や大変さを乗り越えて、曲が完成し、人に聴いてもらい、人に褒めてもらえる

この時の感動は測り知れないものです


「人は簡単に手に入るものは、簡単に手放してしまうものです。

苦労して身につけたものは、そう簡単に手放しません。」(黒河好子)


こんな文章が心に残りました


私自身の続けるべき理由はなんだろう?

30歳になって改めて自分と向き合う時が来たような気がします


私は4歳からピアノを始め、現在で26年という長い期間続けてきています

母の知り合いから習わないかと声をかけられ、じゃ習おうかなといった軽いきもちから始めました

しかし、練習は楽しいものでなく、何度も辞めたいと母に話をもちかけたものです

でも決して母は辞めてもいいとは言いませんでした

音楽は心から大好きだったんですよ

お気に入りの曲がテレビから流れると、スピーカー部分にカセットレコーダーを

密着させ録音し、何度も繰り返し聴くほど

中学時代ではお気に入りの曲を授業中に鼻歌で歌ってしまい、先生に注意されたり…

しかもこの時、みんなに聴こえていると思ってもなかったんです(^^ゞ

正直クラシックがあまり好きではなかったかな?

ポピュラー音楽大好きで、レッスンとは関係ない曲をたくさん弾いていましたから

決して真面目な生徒ではありませんでした


練習が嫌いで、辞めたいと考えていた私の大きな転機は中学校3年生の時におとずれました

左耳の聴力を急に失ってしまったんです


病名は突発性難聴


浜崎あゆみがかかった病気といえば分かりやすいかもしれませんね

耳鳴りが続いていることは分かっていました

そしてある日、聴こえないことに気づき耳鼻科で診察を受けたところ

中央病院に行ってくださいと紹介状を書かれ…

その後は毎日ステロイドの点滴をうけるため病院に通いました

数日後、幸い高音の聴力は戻ったものの、低音は半分程度しか回復しませんでした

その時に耳が聴こえなくなるという恐怖を身をもって経験しました

それと同時にピアノが弾けなくなってしまったらどうしようと

その時にやっと気付きました


あ〜私ってピアノが好きだったんだ

失いそうになって初めて気づくってこういうことなんだと


ピアノの練習は相変わらず嫌いでしたが(笑)続けました

そして高校も音楽科へ進み、音楽大学へ…

そしてそしてピアノ講師になりました


現在も左耳の聴力は悪いままです

普段の生活で不憫さを感じることはありませんが、電話は右耳を使わないと

聞き取れないことと、左耳にイヤホンを使って音楽を聴くとうまく聴こえません


大したことはありませんのでご心配なく

音楽を感じることができる耳が私にはありますから

これだけで十二分に満足です♪


続けてこれた理由…

ピアノが好きだと気付くまで、何があっても辞めさせてくれなかった母のおかげ


辞めることは簡単だったはず

継続のほうがどれだけ大変か


母には一生感謝です☆

あと、続けると得することを本の内容から少し取り上げてまとめてみました


①音楽の良し悪しが分かるようになる

自分が演奏するからこそ、人の演奏の素晴らしいところ、(あるいはそうでなとこ)

が分かるようになるんです

演奏する人は聴くだけの人と違い、脳内の神経細胞の働きがよくなり

音楽の様々な表情を聴き分け味わうことができるそうです

「何聴いても一緒に聴こえる」という人、音楽に携わってない方に多いですよね


②自分が特別な存在であると確信できる

私自信がそうですが、何かに迷ったり、落ち込んだりした時、私にはピアノがある!

とよく思っていました

ピアノが弾けるの?!と驚かれた時なんかはやっぱり嬉しいですね


③つねに変化(成長)を感じられる

以前弾いたときは難しく感じていたのに今はこんなに楽に弾けてる!と

感じることありませんか?

練習を頑張ってした分、ピアノは必ず応えてくれます


④言葉にならない感情を人に伝えられる

ピアノを長く続けると、音に託した自分の思いを聴き手に伝えることができるようになります


本当はもっともっとあるのですが、今日は長くなりすぎてしまったのでこの辺で☆


私はピアノのおかげで幸せな人生が送れている

これは紛れもない事実で、続けるべき理由です(*^_^*)

生徒のみなさん、保護者の方、他にもまだまだたくさんの人に感謝して☆